【土砂崩れ】「山はいつか落ちてくる可能性がある」原因を専門家が解説 警戒区域外でも注意を

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8月27日午後10時過ぎ、蒲郡市竹谷町で起きた土砂崩れ。木造2階建ての住宅が飲み込まれ、この家に住む家族5人が生き埋めになりました。現場は土砂災害警戒区域の指定基準を満たしていなかったため、ハザードマップで警戒区域に指定されていなかったといいます。

なぜ警戒区域外で土砂崩れが起きたのか。今回の土砂崩れの原因や指定基準の条件、対策について、京都大学防災研究所斜面未災学研究センターの王功輝さんに話を聞きました。

現場と道路との間に積まれた土のう=2024年8月29日午後・愛知県蒲郡市竹谷町

蒲郡市などによりますと、29日午前1時過ぎに最後の1人が見つかり、家族5人全員が救出されましたが、共に70代の夫婦の男女2人と、30代の長男のあわせて3人が死亡しました。共に40代の姉妹2人は重軽傷を負いました。

撤去作業が進む土砂崩れの現場では、雨の影響で土砂やがれきの一部が道路に流れ込んだため、道路との間に土のうが積まれました。29日午後3時ごろ視察に訪れた蒲郡市の鈴木寿明市長は…

鈴木寿明市長:
「土砂の量、崖を見ると相当な災害だと改めて思う。被災されたご家族に哀悼の意を示したい」

土砂崩れがあった竹谷町大久古地区では、今も14世帯37人への避難指示が続いています。

鈴木寿明市長:
「台風10号で降雨量が増えると思われるので、避難指示を解除する段階ではない。引き続き災害対策本部を継続して備えていく」

土砂崩れを起こした現場付近の地中には豊川用水の管が通っていて、救助作業中にその付近から水が出ているのが見つかりました。蒲郡市は念のためバルブを締めて、街頭区域の通水を止めたということで、今後詳しい調査を進める方針です。

専門家「土砂が高速で落ちて一気に液状化」 現場は土砂災害警戒区域には指定されず

土砂災害警戒区域の指定には条件がある

京都大学防災研究所斜面未災学研究センターの王功輝さんに話を聞きました。

――今回の土砂崩れの原因について、どう考えられていますか。

「家のすぐ後ろに傾斜が約30度に近い急斜面があることが特徴です。雨で斜面は大量の雨水が含まれており、急斜面から落ちてきた土砂は一気に液状化し土石流になってしまい、家が潰されたと思います」

――急斜面であったことが、被害を拡大する大きな要因になったということでしょうか。

「土砂が高速で落ちて一気に液状化してしまったため、高速で家まで流れ、家が潰されたと考えております」

――急斜面のみならず、落ちてくる土が水混じりで土石流になってしまっていることで、より高速に勢いよく流れ込んできてしまい、大きな要因になったということですね。

そして、この現場は土砂災害警戒区域の指定はされていませんでした。指定基準の1つに、崖の傾斜が30度以上という条件があります。今回の現場は崖の傾斜が30度以上ではなく、指定されていませんでした。

蒲郡市の鈴木市長も29日、傾斜が要因で土砂災害警戒区域には指定されていなかったと話していました。

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