「人材流出を防げ」人気テーマパークUSJが時給を1210円に引き上げ人集め ワーホリで外国人材も

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全国で人材不足が深刻化するなか、大阪ではより激しい人材獲得競争が始まっています。そのなかで「賃上げ」だけに頼らず、従業員の満足度向上により、「人材の流出」を防ぐ、人気テーマパークUSJの新たな取り組みを取材しました。

大阪・関西万博がもたらす人材争奪戦

テーマパークで働くクルー

大阪のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」。テーマパークの来場者数ランキングで世界3位にランクインしました。訪日客も急増するなど、絶好調のUSJに“ある課題”が。来年春に開催を控える大阪・関西万博です。

万博協会は時給1850円でアルバイトを募集。ほかにも万博関連で時給2000円の求人に応募が殺到しました。1万2000人のアルバイトが「クルー」として働くUSJですが、その内訳は6割が関西在住の学生です。

「万博に人材が取られる」と、時給を1210円以上に上げました。USJがとった施策は、賃金アップだけではありません。

海外からの人材獲得にも注力

採用の特典

USJは名古屋で採用選考会を開催し、引っ越し費用や家賃の下見費用、採用の祝い金を負担するといった特典を提供。名古屋を皮切りに5つの都市にエリアを広げ、130人ほどのクルーを採用する予定です。

また、台湾などからの外国人材の採用にも力を入れており、「ワーキングホリデー制度」を活用して訪日客対応の強化を図っています。「ワーキングホリデー」は、就労ビザなしで最長1年間働ける留学制度。入国者数はコロナ禍以前の水準に戻りつつあります。

ユーエスジェイ シニア・バイス・プレジデント
人事本部長 田口 雅子さん:
「徐々に人口構成を変えていって、その方々に長期的に活躍していただく。“USJを選び続けていただくこと”が大事です」

クルーの満足度向上策

クルーをケアするクルーの「オアシス隊」

そんなクルーの流出を防ぐため、USJは「クルーオアシス隊」を設置。クルーにスポーツドリンクや塩分タブレット、冷たいおしぼりを提供するなどのケアを実施しています。また、健康的な食事をお手頃価格で楽しめるカフェや、閉園後のパークで開催される「駅伝大会」など、社内イベントも充実させているのです。

日本経済新聞社 谷本記者:
「USJでは『トータルリワード』をキーワードに、人材の獲得や定着に取り組んでいます。トータルリワードは、非金銭的な報酬を含めて、総合的に従業員のエンゲージメントを高める施策を指す言葉です。パーク内で従業員用に「駅伝大会」を開くなど、テーマパークの特徴をうまく生かした施策を打つことで、働いている人の口コミから採用につなげる『リファラル採用』に効果を発揮する可能性もあります」

ユーエスジェイ シニア・バイス・プレジデント 人事本部長 田口 雅子さん

田口本部長:
「社員もクルーも、さまざまなライフステージにいる人がいます。介護をしている人や多様な家族の在り方に適応できるようにして、既存の人事制度の間口を広げていく。9月ぐらいにはそれができます」

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