「取引先の社長に良い顔がしたい」業務販売価格以上に値引き 詐欺容疑で送検のトヨタ系販売店の元社員
トヨタ自動車系販売店の元社員の男が、自動車販売会社に架空の取引をもちかけ現金約1億円をだまし取ったとして逮捕された事件で、男は、生活水準を維持するためにだまし取った金の一部を自身の口座に入金していた趣旨の供述をしていることが捜査関係者への取材で新たに分かりました。
詐欺の疑いで逮捕・送検されたのはNTP名古屋トヨペットの元従業員、渡邊昌彦容疑者です。
警察によりますと、渡邊容疑者は2023年11月、名古屋市にある中古車販売会社に自動車売買の仲介名目で架空の取引きを持ち掛け、現金約1億円をだまし取った疑いで20日、逮捕されました。渡邊容疑者は4年ほど前から複数の会社と同様の架空取引を500回ほど繰り返していたとみられ、被害総額は14億円を超えるとみられています。
その後の捜査関係者への取材で渡邊容疑者は、2015年には手取りで1700万円ほどあった年収が2023年は400万円ほどに減少し、生活水準を維持する為にだまし取った金の一部を自身の口座に入金していた趣旨の供述をしていることが新たに分かりました。
また、渡邊容疑者は別の自動車販売会社の社長から「カーナビが安く手に入らないか」などと言われ、渡邊容疑者は、「取引先の社長に良い顔がしたいと思い、自らが働いていた会社には内緒で、10年以上前からカーナビなどを業務販売価格以上に値引きして販売し、その差額分を自己資金で補填して会社に入金していたが、年収が大幅に下がったことで、金が回らなくなった」などといった供述をしていることも新たに分かりました。
警察は渡邊容疑者がだまし取った金の流れなどを慎重に調べています。