国内外から観光客が続々 瀬戸内海に浮かぶ「豊かな島」豊島の魅力とは 過去には誹謗中傷も
今、国の内外から観光客が続々とやってくる島が瀬戸内海にあります。名前は「豊かな島」と書いて「豊島(てしま)」です。一体どんな魅力があるのか探りました。
アートに囲まれた島
岡山県玉野市の宇野港から、フェリーで約40分。瀬戸内海の真ん中に位置する、香川県土庄町の豊島です。人口700人余りのこの離島へ、国内外から観光客が続々と訪れています。
浜辺にあるベンチのようなアート作品。オーストラリアの現代美術家と建築家が共同で手がけました。
テレビせとうち 小野桃果アナウンサー:
「ゆったりとした時間の中で、海と空に包まれているような、そんな感じがしますね」
この豊島をはじめ、香川・岡山の島々を舞台に、3年に一度開かれる現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭」。開催年ではない2024年も、豊島では10カ所でアート鑑賞を楽しむことができるんです。
そしてこちらは、眠っていた古民家を改築して作った建築のアート。その名も「島キッチン」です。中では、豊島で暮らす“お母さん”たちが、瀬戸内の海の幸と、島で採れた旬の野菜をふんだんに使ったメニューを提供しています。
島キッチン 田中 昌子さん:
「朝とれた瀬戸内産のマダイです」
アートを入口に、食や自然も満喫できるのが豊島の魅力です。
来島客:
「あえてノープランで癒やされに来ています」
来島客:
「仕事のこととかを忘れられて、非日常感を味わえます」
かつて産業廃棄物不法投棄が起こった島
しかし、この島には忘れてはならない歴史があります。豊島は、国内最大級の産業廃棄物不法投棄が起こった島。豊かな水と大地、島民たちの平穏な暮らしは、危機にさらされました。廃棄物処理事業は完了したものの、現場が元の姿に戻り、住民へ返還される目処はまだ立っていません。
さらに、島で暮らす人たちは、風評にも心を痛めてきました。
豊島住民の田村伸子さん:
「子どもたちが修学旅行に行って『豊島から来た』と言ったら、『あの“ごみの島”から来たのか』と言われてショックを受けた話も聞いた覚えがあります」