「身動きが取れない」 不正発覚「恵」の施設の譲渡先見通し立たず、利用者家族は苦悩
障害者向けグループホームを運営する「恵」が、名古屋市内の1施設の譲渡先を決めました。一方、県内の他の26施設はいまだ譲渡の見通しが立っていません。恵に不信感を抱きつつも身動きが取れないと話す利用者家族を取材しました。
8月18日、「恵」は名古屋市緑区の「グループホームふわふわ」の利用者家族を対象にした説明会を開きました。
娘が「グループホームふわふわ」を利用する男性:
「安心しているんですよ。受け皿ができたので。内容にもよるが、これからそれを聞くために来た」
「恵」をめぐっては、食材費の過大徴収などが明らかになりました。愛知県と名古屋市から指定取り消しの行政処分などを受け、県内27カ所の施設は順次、運営ができなくなります。そのため恵は施設の譲渡を模索していて、説明会で「グループホームふわふわ」は市内に本社を置く福祉事業会社「ケアサポート」に譲渡されることが報告されました。
また、譲渡後も職員や利用料金は現在と変わらないという説明に参加した利用者家族は…
娘が「グループホームふわふわ」を利用する男性:
「大体安心できました」
「(このまま利用する?)もちろん、そうです」
一方、見通しが立たない施設も…
息子が恵の施設を利用する女性:
「うーん、どうしたらいいかわからない感じになっちゃって」
取材に応じてくれたのは、県内に住む女性です。自閉症の息子は最も重い障害支援区分6の認定を受けていて「恵」が運営する豊橋市のグループホームを利用しています。この施設は2027年1月末で運営ができなくなります。「恵」は他の施設とともに2024年中の一括譲渡を目指すとしていますが、譲渡先や時期などは今もわからないままです。
息子が恵の施設を利用する女性:
「『大丈夫です。続きます』って恵の担当者は言う。そういわれると不安ですよね。恵に言われるのが一番不安なんですよ。申し訳ないけど。移動を考えましょうとなっても、(ほかの施設に)空きはないので、すぐに移動はできませんという感じで…動けないじゃないですか」