破格の30分3300円 赤字覚悟の夕張メロン食べ放題 インバウンド呼び込みで衰退する街に再び輝きを

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北海道が誇る夏の味覚といえば「夕張メロン」。インバウンドを獲得するため夕張メロンの「食べ放題」を提供する人物を取材しました。

2玉300万円の値が付いた夕張メロン

ホクユ―パック 会長の野田清道さん

北海道夕張市が世界に誇る特産品「夕張メロン」。芳醇な香りとコクのある甘味が特徴です。5月の初せりでは、最高で2玉300万円の値が付きました。落札したのは、野田清道さん。夕張で青果物の梱包と発送を手がけるホクユ―パックの会長を務めています。「メロン愛と夕張愛は誰にも負けない」という野田さん。その仕事ぶりを拝見しに、夕張メロンの集荷場を訪ねました。

夕張メロンを検査する従業員

中に入ると検査員が夕張メロンの検査をしていました。夕張メロンは大きさや糖度によって、4段階に規格が分かれています。果肉の色が白かったり糖度が10%未満だったりすると廃棄処分に。出荷までに数々の厳しいチェックが行われるのです。

1日3000から4000箱を扱う

検査が終わった夕張メロンは小分けされ、道内外や海外にも出荷されます。集荷場では130人ほどが働き、1日3000から4000箱を扱います。2024年で77歳になる野田さんも、ほかの従業員に混じって汗を流していました。

ホクユーパック 会長 野田清道さん:
「この年になってもまだまだ、若いもんには負けんよ!」

夕張メロンの「食べ放題」が観光客に大人気!

夕張メロンの「食べ放題」をする観光客

そんな野田さんが4年前から始めたのが、夕張メロンの「食べ放題」です。制限時間30分、1人3300円で好きなだけ夕張メロンを食べられるとあって、観光客やインバウンドに大人気。

訪れた客:
「めっちゃうまいですよ、甘い」

「甘くておいしくて、パクパクいけますね」

これまで一番多く食べた客は8分の1カットを70個。数にして約8から9玉分といいます。

財政破綻した夕張市、65歳以上の高齢化率は54%に

65歳以上の高齢化率は54%

この「食べ放題」は、会社の利益を考えるとできない商売だという野田さん。それでも事業を続けるのは、ある理由がありました。“まちの衰退”です。

2006年に財政破綻した夕張市。2024年1月時点の人口は6300人余りで、炭鉱で栄えていた1960年の12万人から激減しました。65歳以上の高齢化率は、54%に達します。

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