ヨコイの「あんかけスパ」使用するスパイスはコショウのみ! レトルトの製造工程に密着
「名古屋メシ」のひとつとして愛され、高い人気を誇る「あんかけスパゲッティ」。その元祖といわれる専門店「ヨコイ」のソースは、レトルト食品としても販売されている。完成度の高さがファンをとりこにしているが、味の秘密はどこにあるのか。製造工程に密着した。
レトルトソースは「完全再現されている」
「スパゲッティ・ハウス ヨコイ 住吉本店」(名古屋市)は連日にぎわいを見せ、客は「もちもちしていておいしい」「もちもち麺がソースとからむ」と、麺の食感を絶賛。中には「スパイシーなところがくせになる」「市販で売っている『ヨコイのソース』は常にストックして持っている」とソースに関する意見を話す客もいる。
ソースを製造しているのは、富山県砺波市。「ヨコイ」の創業者と二人三脚であんかけスパ用のもちもち麺を生み出した「日本製麻」の工場だ。麺とソースの両方を作っている。
驚きの熟成工程 うまみ凝縮にかける時間は?
工場に潜入すると、白衣姿の従業員が忙しそうに働いている。台車に載ってやってきたのは、袋分けされた牛肉のミンチ。ソースにうまみとコクを出すための重要な材料だ。
大きな鍋に投入されるのは、牛肉ミンチ、ニンジン、タマネギ、ニンニク、トマトピューレなど全7種類の材料。形が完全になくなるまで、約6時間かけてじっくり火を入れていく。
すべての材料が一体となったペーストには、肉と野菜のうまみが凝縮。しかしこの時点で、まだスパイスは入っていない。
四角い容器に移したペーストは、熟成させるために1週間も冷蔵庫へ。じつはこれ、「ヨコイ」の店舗で作るソースの熟成期間とまったく同じ。味を完全再現させるために同じ期間熟成し、うまみを極限まで凝縮させている。
熟成を終えたペーストの断面はプルプルに輝いている。これを大きな鍋で水に溶かし、ラードを投入。“スパイシーさ”を生み出すコショウが、ここでようやく投入される。使うスパイスはコショウ1種類だけなのだ。
さらに6時間煮込んだ後、袋に充填し、箱詰めされて出荷される。
「ヨコイ」三代目も「完全再現」とお墨付きのレトルトソース。名古屋のソウルフードの奥深さを手軽に味わえる一品は、こうして作られている。
(7月6日放送 テレビ愛知「工場へ行こう III AMAZING FACTORY」より)