「子どもはどんなお母さんでも大好き」防げなかった小1女児虐待死 専門家は児相の状況判断に疑問
愛知県犬山市で小学1年生の女の子が死亡し、母親と内縁の夫が逮捕された事件で、過去に女の子の体の広い範囲にあざが確認されていて、日常的に虐待を受けていた可能性があることが分かりました。
この事件で7月19日に送検されたのは、犬山市のパート従業員、島崎みなみ容疑者と、島崎容疑者の内縁の夫で会社員の倉田凱容疑者の2人です。
警察によりますと、倉田容疑者は2024年5月、島崎容疑者の娘で小学1年の島崎奈桜さんに暴行を加え、死亡させた傷害致死の疑いが持たれています。
また島崎容疑者は、奈桜さんに対する適切な処置を怠るなどした保護責任者遺棄致死の疑いが持たれています。
捜査関係者によりますと、過去に、奈桜さんの体には、広い範囲であざが確認されていたことが新たに分かりました。警察は、倉田容疑者が日常的に奈桜さんを虐待していた可能性があるとみて調べを進めています。
児童相談センターが2度、一時保護
事件を巡っては奈桜さんは、地元の児童相談センター、通称「児相」で2度、一時保護されていました。
1度目は2022年12月、医療機関から「体のあざが増えている」と報告があり、児相が一時保護。この時、奈桜さんは「倉田容疑者にパンチされた」と話しましたが、両容疑者は虐待を否定。倉田容疑者から今後、奈桜さんに会わない旨の発言があったため、母子の関係が良好なことを確認した上で、一時保護を解除しました。
2度目の保護は、2023年4月でした。当時、奈桜さんが通っていた保育園から顔にあざがあると報告があり、児相が再び一時保護しました。しかし、この時は奈桜さんから虐待を疑わせるような発言はなく、両容疑者も虐待を否定。奈桜さんが「家に帰りたい」と訴えたため、児相はこれ以上、分離を継続するのが難しい状況と判断。改めて母子の関係が良好なことを確認し、一時保護を解除しました。
その後、児相は奈桜さんと島崎容疑者に対し定期的に面談を実施。奈桜さんが死亡する3日前の面談では、母子は笑顔で手をつなぎ帰ったということです。
今回の事件を検証するため、愛知県は19日、検証委員会を立ち上げました。
※島崎の「崎」はたつさき