全品360円「激安弁当店」 約40種類の弁当に長蛇の列 「ここで毎日買う」常連客多数 名鉄大曽根駅
帝国データバンクによりますと、2024年の食品値上げの品目数が3年連続で1万品目を超える見通しとなりました。7月に値上げされた食品は、ワインや菓子など400品目余り。そんな中、名鉄・大曽根駅すぐ近くの「とうちゃん弁当」は、全品360円の激安価格で弁当を販売しています。
物価高に負けない激安弁当店。そこにはどんな人たちが集まっているのか、定点観測させてもらいました。
「お客さんに協力したい」
チャーハンや、たっぷりの野菜の餡がのった中華丼。さらに手仕込みのハンバーグや唐揚げなど、約40種類が店頭に並んでいます。安さのほかに、種類の豊富さも魅力のひとつなんです。
とうちゃん弁当 店長 柳 伸英さん:
「いろんな業者さんがすごく協力してくれて、うちだけでできることでは全然ないので感謝しながら営業しています。今の物価高の世の中で、うちも皆さん(お客さん)に協力したい。こういうときを、みんなで一緒に乗り越えたいです」
午前10時ごろ 店前にはズラリとお弁当が並びました。その直後、1人の男性が店頭にやってきました。
店員:「野菜炒め・鮭・カレー南蛮が3個、レバカツ・きのこ2個、8点ですね。大盛3個。全部で3030円ちょうだいいたします!」
1人で8個も弁当を頼みました。
――すごい量ですね。
客:「そうですね! 5人前です。昼と夜の分も買っているので」
大曽根駅に勤務しているこの男性。この日は上司や同僚の分まで買いに来たと言います。「安くて多くておいしいんでみんな、ここで毎日買っています。めちゃくちゃ助かっています」。
弁当を食べて、午後の仕事にもいっそう力が入りそうです。
驚くほどの安さに「異常ですね」
店が混雑し始めた午前11時ごろ。定点カメラには、男性2人組の姿がありました。
客:「これも360円!? えっ!どうしよう」
初めて来店した2人。360円のお弁当とその種類の多さに、思わず口を開けてびっくりした様子です。ここから数分悩んだ結果、それぞれ大きな唐揚げが4つ入った弁当と、唐揚げにタルタルがのったチキン南蛮弁当を購入しました。
客:「安いですよね! これで360円は異常ですね。これを食べてバリバリ働きます!」
男性は弁当を片手に思わずスキップ。今では毎日通っているそうです。
定年後も通い続ける常連客
午後3時。売り場に敷き詰められた弁当も残り数個になりました。そんな中、1人の男性がやってきました。
客:「あった。良かった」
楽しみにしていた弁当が、残っていたようです。
客:「これは玉子焼き弁当!」
――だし巻き?
客:「そうそうそう」
昔は、この付近で働いていて、定年後もこうして通っているんだそう。「こんなにおいしいものを、この価格ではなかなか食べられない!」と弁当愛を熱く語ります。
物価高の今を、お客さんと一緒に乗り越えたい。とうちゃん弁当の店長の優しさも、おいしさにつながっているのかもしれません。