海水浴場が暑さ・紫外線対策 音楽フェスも開催で海離れ食い止めろ 利用者はピーク時の10分の1
全国各地の海水浴場で海開きが行われていますが、海水浴場の利用者は年々減少しています。その数はピーク時の10分の1以下。海離れの原因と対策について解説します。
約40年で利用者は10分の1以下に
海水浴の参加人口の推移のグラフです。2007年は2000万人を超えていましたが、そこから右肩下がり。コロナ禍でさらに減って2022年は360万人。ピークは約40年前の1985年で、利用者は3790万人でした。
愛知県の海水浴場も例外ではありません。県内で最も多くの人が訪れる内海海水浴場には、2013年に46万人が訪れていました。しかし2023年は20万人まで落ち込んでいます。
なぜ海離れが進んだのか。県の担当者に話を聞きました。
近年の減少の大きな要因は2つ。1つ目は熱中症や日焼けへの心配。夏の暑さが年々厳しくなり、日差しも強い中で体調や肌への影響を気にする人が多いといいます。2つ目はレジャーの多様化です。水遊びに関しては屋内プールやナイトプールといった天候や時間に関係なく楽しめる場所が増えました。
海で海水浴か、山でBBQか
また、夏のレジャーについてコロナ禍の2022年に、「夏にしたいことは?『海で海水浴』or『山でBBQ』」との意識調査が行われました。「山でBBQ」と答えた人は6割以上。理由は「(山は)涼しそうだから」「海は混雑するから」が多かったそうです。
県の担当者は海水浴場の利用者が減る影響について、「海の家などの売り上げが落ち込み、海水浴場の清掃や整備が十分にできなくなって機能を維持できなくなる」といいます。
利用者を増やすための対策
利用者を増やすための対策について、内海海水浴場の担当者に取材をしました。まずは暑さ・紫外線対策で、2024年から強い日差しを遮る「遮光ネット」を設置。海水浴場の中心地にある休憩・イベントスペースに設けています。机や椅子が用意されていて、最大250人ほどが強い日差しを避けて涼むことができるそうです。