創業355年の老舗鉄鋼商社「岡谷鋼機」AI技術を活用した生産現場の課題を解決する新ビジネス

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AIで生産現場のお困りごとを解決

江戸時代から様々な製造業の「御用聞き」を生業に、愛知のものづくりの現場を支えてきた商社があります。創業から355年、その企業が今、AIの技術を使って工場の課題を解決する新たなビジネスを始めました。

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創業1669年、江戸時代の絵巻にも描かれている

笹屋(のちの岡谷鋼機)

名古屋城のお膝元、かつて「鉄砲町」と呼ばれた地域に本社を構えるのが、鉄鋼商社、岡谷鋼機です。創業1669年、江戸時代の「享元絵巻」にも描かれています。この「笹屋」がのちの岡谷鋼機です。

金物商から始まった

すきやくわなどを扱う金物商からはじまり、生産現場の「御用聞き」として愛知のモノづくりを支えてきました。その歴史は355年。今では鉄鋼と機械を扱う商社として、年商1兆円を超えています。

そんな岡谷鋼機が今、新たなビジネスに乗り出しました。

機械に向けてマイクを設置

この日、エレクトロニクス本部のプロジェクトリーダーの赤堀義武さんが足を運んだのは松岡特殊鋼。鋼など特殊鋼の加工や金型部品を製造する会社です。大きな工作機械の前にやってきた赤堀さん。

ノートパソコンを取り出して、つないだのはマイクです。機械に向けてマイクを設置し、スイッチを押します。

鋼の塊を切断する機械

この機械は、輪になった約8メートルののこぎりの刃が高速で回転し、鋼の塊を切断します。その機械にマイクを向けて、工場で聞こえるさまざまな音をAIに学習させて、ヒビ割れの有無を音で判断するシステムです。

岡谷鋼機 赤堀さん:
「どんな特徴の音なのか、AIに学ばせて検知します」

ヒビに気づかず作業を続けると一体どうなってしまうのか。別の会社の工作機械で検証しました。

ノコギリの刃が折れている(画像中央部)

材料を削っていくと「バン!」と大きな破断音がして機械が停止。よく見ると、機械の中央部分(画像の中央部)のノコギリの刃がぽっきりと折れていました。

早い段階でヒビ割れに気づけば、研磨して使用期間を延ばしたり、材料のロスを減らしたりできます。

システムがヒビの入る音を検知

システムが音を検知

刃にヒビが入ると、機械から「カチッ」と異音がするのですが、人の耳では聞き取りづらいです。しかしこのシステムではしっかり検知できました。

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