都知事選結果を受けて「永田町の風」は 自民党総裁選への影響と解散総選挙の時期 政治ジャーナリスト解説
キングメーカーの存在が気になる石破元幹事長
ポスト岸田に向け、青山さんが「軸となる」というのが、互いにキングメーカーである麻生副総裁と菅前総理の存在です。菅前総理は「岸田おろし」の動きを加速させていて、石破元幹事長と連携を進めています。しかし…
政治ジャーナリスト 青山和弘さん:
「今は菅さんとか二階派の残党の議員が推してくれないと(総裁選に)出られない。そうなると、自分がやりたいことができる総理になれるのか、というところを気にしている。
私も直接取材したが、ただ神輿に担がれるだけの総理にはなりたくない、という思いが強い。単なる操り人形とならない総理になるためにはどのような座組ができるのかを必死に調整している。うまくいかなければ出馬しないという可能性も残っているとみている」
解散総選挙は「10月下旬か11月か」
都知事選で石丸さんが躍進したことで、総裁選をめぐる動きにも変化が…
政治ジャーナリスト 青山和弘さん:
「石丸さんが10代、20代の投票数トップだったと出口調査で明らかになっている。若い人たちがこれだけ石丸さんに入れて、石丸さんが蓮舫さんを抜いて2位になったことは永田町に衝撃を与えている。永田町にも世代交代が大事だという機運が出てきている。
名前が上がっているのが、49歳の小林鷹之前経済安全保障担当大臣。斉藤健経済産業大臣も名前が出ていて、若い人から新しい軸が生まれてくるのか、それが総裁選の焦点のひとつ。愛知県は池田・神田議員の不祥事が多かったというイメージが強く、(総裁選に)求心力を持つ議員が思い当たらない」
―――解散総選挙、あるならいつだと思いますか。
政治ジャーナリスト 青山和弘さん:
「解散は普通に考えれば新しい総裁が生まれたらすぐ。そうなると10月下旬か11月に選挙。目くらましとは言わないが、いわゆる「疑似政権交代=党内で総裁を変えること」で政権交代が起こったようにみせて、国民に『新しくなったんだ』と思わせる。本当にそうなのか、メディア・国民が見極めることが大事」
今回の都知事選挙は、過去最多の56人の候補が乱立したほか、掲示板に同じ選挙ポスターが並ぶ、候補者が都政とは関係ない政見放送が行うなど異例続きの選挙となりました。これについて青山さんは「混乱があり時代の変化を感じつつも約6割の人が投票した今回の選挙そのものは信頼に足る」としています。
しかし「選挙を『注目を集め経済的な利益を得ようとする場=商売の道具』として使う人がいたことは、選挙に対する冒とくとも言える」と厳しく指摘していました。
「掲示板や政見放送というこれまでの選挙のやり方が、時代遅れ。法律の改正や何らかの規制をしなければ選挙自体が立ち行かなくなる」と話していました。