成功率10%の超難易度「メタボな蛇口」製造工程を初公開 赤字でもオンリーワン商品がブランディングに
まず、ざるで鋳物砂の塊を崩したら、専用の道具で枠に詰める作業を繰り返す。しかし機械と違って手作業のため、砂型の強度を保つことができず、注いだ銅が漏れ出すリスクも。今回は10個の砂型を作ったが、吉岡工場長もどこか不安な様子だ。
スタンダードな蛇口同様、ドロドロに溶かした銅を炉から容器に移し、砂型へと流し入れる。
しかし、横から銅が漏れ出してしまった!
関門2 研磨作業
10個のうち6個が成功し、次のステージへ! 研磨作業を行うのは、この道30年の超ベテラン・加工部の野村彰さんだが、野村さんの腕を持ってしても、かなりの難しさだという。丸みを帯びた形を研磨するのは至難の業で、最も難しいのが溝だ。ほかの部分と同様、ピカピカにする必要がある。
関門3 傷チェック
お次は、厳しい目を持った番人が、傷がないかチェックする工程。こんなに小さい傷でもアウト。ここで見逃すと、完成したとしても不良品となってしまうのだ。吉岡工場長も固唾を飲んで見守るが、次に進めたのは、たった1つだけだった。