使われた食材を「絵文字」で表現 多様な人々に安心して食事を楽しんでもらう 大阪・関西万博で活躍期待
2025年開幕する「大阪・関西万博」は海外から350万人の来場者が見込まれています。多様な人々に日本での食事を楽しんでもらおうと、新たな取り組みが進んでいます。
食材に特化した「フードピクト」
「ピクトグラム」と呼ばれる絵文字は、鶏に、羊など、使われた食材がひと目で分かります。ピクトグラムは、日本では1964年の東京オリンピックに初めて登場し、1970年の大阪万博で、世の中に浸透しました。
そして今、関西で生まれたのが、食材に特化した「フードピクト」です。
マレーシアからの観光客:
「(フードピクトは)とても便利だね。(イスラム教では)豚はダメだし、牛肉はイスラム法に則った処理が必要なんだ」
宗教上の制限やアレルギーがある人でも、安心して食事ができるといいます。
フードピクトは、「帝国ホテル大阪」など、関西を中心に約1600施設に広がっています。作ったのは、2017年創業のスタートアップ「フードピクト」。外国人ら1500人に調査を行い、誰もがひと目で理解できるデザインを追求してきました。
国の言語を超えた“伝わるデザイン”とは?
フードピクト 菊池信孝社長:
「どの言葉を喋る人にも伝わるようにするという難しさがあるし、文化的な違いも越えていかないといけないので、そこの難しさもありました」
例えば、「乳製品」。牛乳タンクの絵では酪農がない国の人は理解できません。さらに牛乳パックのデザインも、使わない国の人には伝わりません。ビンと牛のデザインで、ようやく分かってもらえました。
2019年の「G20大阪サミット」でも、メイン会場で採用。万博を機に、世の中へ広めようと仕掛けるのが、関西経済連合会などが立ち上げた「食の多様性推進ラウンドテーブル」です。
食の多様性推進ラウンドテーブル
中許祐里子座長:
「共存していくことを考えると、こうした大きなイベントを機に、言葉の壁がないものを生活の中に仕掛けと仕組みで入れるかが非常に大事」
さらにピクトグラムによる表示だけでなく、食べ物の多様化も進めています。