蛇口界の異端児「株式会社カクダイ」 岐阜の山奥にひっそり佇む巨大工場に潜入!
2時間ほど冷まし、いよいよ型から蛇口本体を取り出す。連結剤で固めた砂は熱への耐久性はあるが、衝撃を与えると簡単に崩れる性質を持っている。型から姿を現したのは、“蛇口の卵”だ。
蛇口本体にこびりついた砂は、直径1ミリの鉄球を大量に噴出する「ショットブラスト」で落とす。
作業前と比べると、その違いは一目瞭然。頑固な砂の汚れもきれいに落ちてピカピカに! 型の中に置かれた中子も、ショットブラストで一緒に砕かれ、見事、水の通り道となる穴ができていた。
お次は、不要な部分を切り落とす工程。蛇口に使われるのは、赤く色付けしてある両端の部分のみで、中央にある銅の通り道と、型の“つぶれ”を防ぐ4本の柱は、ここでお役御免となる。つまり、半分近くがカットされてしまうのだ。
この段階で不良品が見つかることもあり、工場長の吉岡透さんは、「お風呂の蛇口は15%ほど不良品が出てしまう」と話す。先ほどカットした部分や不良品は、もう一度溶かして再利用されるとのこと。