日本人の主食「コメ」の価格が急騰 専門家「主食用のコメの作付面積を減らしすぎた影響か」
日本人の食卓に欠かせないコメの価格が急騰しています。いったい何が起きているのか、取材しました。
名古屋駅にある廣寿司本店では、市場から毎朝仕入れたネタを使うなど新鮮さにこだわった寿司を提供しています。平日のお昼時、店内には、外国人観光客の姿がありました。
フィリピンから来た観光客:
「私たちは寿司を食べることが大好きです。だから本物の寿司を食べにここに来ました」
香港から来た観光客:
「おいしいです。本当です。値段も高くない」
廣寿司 鬼頭妥拡社長:
「海外のお客様が非常に増えていて、肌感覚で(コロナ禍前と比較しても)1割ぐらいは増えてる」
その一方で、ある異変が起きているといいます。
鬼頭社長:
「コメがないということを、仕入れの業者から聞いている。当然うちはご飯がメインの商売なので、何とか引っ張ってきてほしいと毎月業者にお願いしているが、やはり値上げ圧力が非常に高くて、仕入れ価格も1割から1割強上がってくると聞いている」
インバウンド需要により、コメの消費量増加
コメの価格上昇。町のコメ販売店を訪ねると、山形県のつや姫など在庫を切らしているといいます。石うす屋中村米穀の中村公一さんは「7月になると、あと2、3種類は在庫が切れるような状態ですね」と話します。
2023年の猛暑で、コメが不作となっているほか、コロナ禍が明けてインバウンドが増加したことなどが背景にあるといいます。
石うす屋中村米穀 中村公一さん:
「コメは夏前の時期になると、仕入れ値がちょっと安くなったりします。要はコメが余ってくるから。ただ2024年は逆で、まったく米が足りないという状況は、ちょっと近年ないかなと思います」
中村さんが感じる異変。同様の声が上がっています。
全国の小規模コメ販売店で作られる団体がまとめたアンケート結果によると、85パーセントがコメの仕入れについて、「苦労している」と回答しました。
石うす屋中村米穀 中村公一さん:
「まったくないものもありますし、お金を出せば買えるのもあります。なかなか自由にはその仕入れられないっていうのはある」
コメの価格の上昇をうけて、7月から値上げする予定といいます。
石うす屋中村米穀 中村公一さん:
「地元のコシヒカリは、7月からちょっと値上げする予定です。7月は一応1割ほど値上げします。(仕入れ値の急騰に合わせて売値を)急激に上げていいかというと、お客さんがあるので、そこまでご迷惑をかけられない」