「家が欲しい人の家が建てられなくなる懸念…」人手不足の建設業界 住宅メーカーが高校生対象の現場見学会
建設の現場では人手不足が続いています。若い人に興味をもってもらおうと、6月12日、高校生を対象にした見学会が行われました。
12日に阿久比町で行われた見学会には、碧南工科高校の高校生38人が参加。東京に本社を置く一建設(はじめけんせつ)が、高校生に住宅建設に興味を持ってほしいと開催しました。
見学会は分譲住宅を建設中の現場で行われ、柱や梁など、木材の組み方の説明や、実際に電動ドライバーを使う体験などが行われました。
参加した高校生:
「すごい楽しかったですね。家を立ててみたいっていう興味あります」
参加した高校生:
「僕は将来設計をしたいんですけど、今まで平面図書いていたんですけど、なかなかイメージつかなくて、実際に見れて、どういう感じになるかとか、(見学会で)かなりイメージつきました」
建設業界は今、人手不足が大きな課題となっていて、一建設では人材獲得に向け、今後も高校生を対象にした取り組みを続けていきたいとしています。
一建設 土屋誠執行役員:
「少子高齢化の中で建築に携わる人手不足の問題がありまして、今後、家が欲しいという人の家が建てられないという状況になってくるんじゃないかと懸念しています。なんとか若い建築関係に携わる人に興味を持ってもらって、仕事をしていってもらえればと思っています」
【2025年問題】団塊の世代の全員が後期高齢者に
建設業界の人手不足が深刻化しています。国土交通省が公表した建設業の就業者数の推移を見ると、ピーク時の1997年には685万人の就業者がいましたが、年々減少傾向にあり、2023年は483万人と、ピーク時と比べて約3割減少しています。
その理由の1つが、就業者の高齢化です。建設業で働く人のうち、60歳以上が占める割合は25.9%と非常に高い割合を占めています。
2025年には、1947年から1949年に生まれた団塊の世代の全ての人が75歳以上の後期高齢者となり、大量の退職者が出て一気に人手不足が進むともいわれていて、「2025年問題」として懸念されています。