子どもの転落事故 名古屋市が5歳以下の子がいる全世帯に補助錠を配布 保護者「1個じゃ足りない」の声も
子どもの転落事故を防ごうと、名古屋市は全国初の取り組みとして、5歳以下の子どもがいる全世帯に対し、窓に取り付ける「補助錠」の配布を始めました。
名古屋市西区の西郵便局では、補助錠を配達する出発式が行われ、河村たかし市長や配達員など約30人が参加しました。
名古屋市が配布する補助錠は、窓をスライドさせるサッシの部分に固定することで、子どもが窓を開けにくくする効果があります。補助錠は5歳以下の子どもがいる市内の約7万9000世帯に向けて、6月6日から8月上旬にかけて順次配布されます。
河村たかし市長:
「ぜひ(補助錠を)付けていただいて、子どもが元気に生きていけるようにお父さんお母さんにはお願いしたい」
名古屋市では2023年3月、中区のマンションで当時2歳の双子の兄弟が7階の窓から転落し、死亡する事故が起きました。この事故をきっかけに、市は有識者の懇談会を立ち上げて子どもの転落防止策を検討。2023年9月の定例議会で補助錠の配布を決定し、1億4000万円の予算を計上しました。
保護者からは「1個じゃ足りない」の声も
配布される補助錠は実際に役に立つのか、5歳以下の子どもを持つ保護者に話を聞くと…
2歳の子どもの保護者:
「うちは窓の上に取り付ける物を付けているが、子どもが覚えて解除できようになるんじゃないか。『(上の鍵を)乗り越えられたときに使おう』と夫と話している」
マンションの12階に住む家庭は…
2歳の子どもの保護者:
「高いので(転落は)怖いですよね」
窓の近くに柵を設置するなど、対策は行っていますが…
2歳の子どもの保護者:
「やっぱり子どもが興味をもってしまうので、窓を自分で開けようとしたり。2重の対策ができると、転落防止につながるのかなと思う」
一方で1世帯1つという個数に不満の声も…
3歳の子どもの保護者:
「1個なんですか…1個じゃ足りないですね…。物ももちろんほしいけれど、お金自体をもらえれば、自分で準備できるかな」