地元で取れた鮮度抜群のアジをあえてアジフライにして町おこし 一大ブームに 市長は選挙時に公約
今、長崎県にアジフライが一大ブームになっている自治体があります。地元で獲れた刺身でも食べられる鮮度抜群のアジをあえてフライにし、さらにブランド化までした狙いとは。
長崎県松浦市はアジの水揚げ量日本一
三陽が工場を構えるのは長崎県松浦市。暖流の影響でプランクトンが豊富な長崎県松浦市近海は、1年中大ぶりのアジが水揚げでき、それをブランド化させました。水揚げ量は日本一を誇ります。それをブランド化しました。松浦市の工場から全国に出荷し、自動販売機でも売るなど販路を拡大。売り上げはこの6年で2.5倍になりました。
じつは松浦市、2019年に「アジフライの聖地」を掲げました。つり革まで「アジフライ」。アジフライもブランド化したのです。
提案したのは市長。全国をまわるなかで地元のアジフライのおいしさに気づいたといいます。地元は、アジフライ目当ての観光客でにぎわいます。アジフライのおいしさは他にはない地元の資産だったのです。
「アジフライの聖地」を宣言してから観光客が増加
2017年に80万人だった観光客、「聖地」を宣言してからは2019年には93万人を超え、コロナ禍で減ったものの2022年には回復。これもアジフライ人気のたまものです。しかし、どうして新鮮なアジをあえて「フライ」で売ろうとしたのでしょうか。
アジフライの廃油を回収して公用車の燃料に
松浦市 友田 吉泰市長:
「港のそばで刺身を食べれば、どこのアジだっておいしいと思う。アジフライという加工品はそれなりの供給量があって、常に新鮮なものが手に入るところじゃないとできない」
そしてアジフライの聖地に新しい動きが。バイオ燃料のベンチャー企業ではアジフライの廃油を回収していました。
鶴丸設備 赤木雄大さん:
「30店舗ぐらい。(アジフライを出す店舗は)ほとんど回収しています」
油が何に使われているかというと、じつは今年から公用車の燃料になっているのです。このベンチャー企業が廃油から精製するバイオ燃料にはある特徴があります。
赤木さん:
「高純度の99.95%の燃料をつくっています」
これは最高水準の純度。さらに燃料をつくる過程で出た不純物を使って洗剤も製造。松浦市はバイオ燃料の使用や太陽光発電で、2050年にゼロカーボンを目指しています。