4月~6月は「ひょう」が増える 時速140キロに達することも「車は安全な場所で停車を」大学教授が解説
空から突然降ってくる大きな氷の塊「ひょう」。4月16日、兵庫県南部ではゴルフボールほどの大きさのひょうが降りました。しっかり対策しないと、命に関わる危険もあります。この時期に要注意のひょう対策について解説します。
ひょうは夏にかけて発生しやすくなる
「ひょう」とは、空から降ってくる5ミリ以上の氷の粒のこと。5ミリ未満はあられに分類されます。注目したいのがひょうの大きさと落下速度。ウェザーニュースによると、ひょうが大きくなるほど落下速度が速くなるそうです。
直径5ミリでは時速36キロ、1センチで50キロ。この大きさだとほぼ被害はないそうですが、5センチ(ゴルフボールとほぼ同じ)だと時速115キロ、さらに7センチ(硬式の野球ボール)時速140キロに達するそう。ちなみにこの大きさのひょうは、重さも野球ボールと同じくらいの150グラムほどです。
あくまで目安ですが、5センチ以上だと被害が深刻で農作物には穴が空いて出荷できなくなったり車には傷や凹みができたり。人の頭に当たると最悪の場合、命に関わる危険もあるので注意が必要です。気象学を専門とする名古屋大学・横浜国立大学の坪木和久教授は「じつは4月~6月の間に降ることが多いので要注意」と話します。
積乱雲は夏にかけて発生しやすくなりますが、夏は地表付近の気温が高いので、地上に落ちてくるまでに解けて水滴になります。しかし4月~6月は7月・8月ほど気温が高くないためひょうが解けないまま落ちてきます。
近くに建物がない場合はかばんや上着で頭を守ること
坪木教授によると、ひょうを降らせる積乱雲は短時間で発達することが多いので予測は難しいそう。ただ、ひょうが降る前兆があるといいます。
【ひょうが降る前兆】
・急に周りが暗くなる
・冷たい風
・激しい雨
・雷
こうした異変はひょうを降らせる積乱雲が近づいているサインです。また、天気予報で「大気の状態が不安定」という言葉が出てきたときも注意してください。
大事なのは「とにかく頭を守る」こと。外にいる場合はすぐ室内へ、近くに建物がない場合はかばんや上着で頭を守りましょう。ただし、木の下に逃げるのは避けた方が良さそうです。積乱雲が発達しているとひょうと同時に落雷の可能性もあり、木に落ちた雷の電流が人に飛び移る危険性があります。