「2月の売上高は3600万円減」トヨタグループの相次ぐ不正問題の影響 関係者からの“不安の声”
豊田自動織機やダイハツなどトヨタグループの相次ぐ不正問題の影響は、今も続いています。下請け企業や自動車販売業者からは不安な声が聞かれました。
葛谷 晃一郎記者リポート:
「不正のあった車を扱う、トヨタ車体のいなべ工場です。豊田自動織機のエンジン不正問題から2週間が経ちましたが、再開の目途は立っていません」
豊田自動織機は1月、自動車向けのディーゼルエンジンで認証不正をしていたことが発覚。不正エンジンを搭載したトヨタのランドクルーザーやハイエースなどの生産が停止となり、今も一部の工場の稼働が止まっています。
帝国データバンクによりますと、豊田自動織機と取引がある企業は5319社で、そのうち5割が愛知県です。売上高でみると1兆2600億円のうち、愛知県が約7割を占めます。
影響を受けている下請け企業が、愛知県名古屋市守山区にあります。
白金鍍金工業・笹野真矢社長:
「自動車部品にメッキ加工をしている。金属をメッキすることで高級感・耐久性を持たせる」
白金鍍金工業は、創業75年のメッキ加工会社。自動車のフロントバンパーやドアノブ、魚を焼くグリル網など幅広い製品のメッキ加工を手掛けています。取り扱う製品の約85%が自動車部品で、今回の認証不正による生産停止で受注が大きく減りました。
白金鍍金工業・笹野真矢社長:
「マイナス660万円。4割減。かなり厳しい」
機械の稼働時間を短縮したり、従業員にも時短勤務をお願いするなど、全社で経費削減に取り組みこのピンチを乗り切ろうとしています。
ただ、影響は豊田自動織機の認証不正問題だけではありません。
白金鍍金工業・笹野真矢社長:
「本来は、ここにダイハツのアウトサイドハンドル(ドアノブ)が所狭しと置かれていた。現状は、生産が止まっているので、ものがない状態」
トヨタの完全子会社、ダイハツも2023年に、認証試験での不正が発覚し、現在も多くの車種が生産停止となっています。
白金鍍金工業・笹野真矢社長:
「(売上高で)2月は3600万円くらいの落ち込み。売り上げが立たなくても、人は雇わなくてはいけないし、固定資産税などの税金が減るわけでもない。3月くらいから動き始めてくれるとよいが、うちではどうすることもできない」