ごみの量を数値化して川の「ごみ予報」が可能に 日本発の最新技術で世界の海洋ごみ問題を解決
清掃活動を数値化! 将来はごみ予報も出来るツールに
しかし、数百年後「鎖国」制度も解かれて他国との貿易が始まり、1914年にはプラスチックは日本で作られ始め、1958年ごろには国の政策の後押しで本格的に大量生産されるようになりました。その後も、安価で利便性が高いため、我々の日用品にも多く使われるようになりました。
現在は技術が発達して便利な時代になった分、耐久消費財の頻繁な買い替え、過剰包装、使い捨て商品の増加、生活雑貨など安価に入手可能になった故にモノを大切にしなくなったことが原因でごみが増えています。ごみの中には多くのプラスチックも入っており、社会問題となっています。
そこで開発されたのが河川の浮遊ごみの輸送量をモニタリングするシステム「RIAD」。開発者の吉田さんに有効活用法を聞きました。
八千代エンジニヤリング株式会社 吉田拓司さん:
今回モニタリングしている岡崎市の伊賀川は清掃活動を頻繁に行っている河川です。「伊賀川を美しくする会」という50年間続いている会がある所があり、最新システムのRIADを使ってモニタリングをすることで、他の河川と比べて「伊賀川が綺麗だ」ということをしっかり数値で評価したいと考えています。
清掃活動を頑張っている方々に「これだけ効果が出ています」といったデータを提供することで、地域を活性化してより良いコミュニケーションが生まれたらいいなと考えています。
河川の問題は世界中に繋がる話だと思います。今後は日本だけではなくて、海外に展開していろいろな河川でモニタリングしてデータを蓄積し、ごみが多い河川の原因に関してより深く検討できるような流れを目指したいです。
そうすれば、2040年に前倒しされた海洋プラスチックごみ削減の目標(=海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにまで削減する目標)達成の助けになる可能性のある貴重なツールになるかと思います。
ただ、今は川にごみがどれくらい流れているかということを見たことがない人ばかりだと思うので、まずは解析して出たごみの量を知ってもらうこと、見てもらうことから始めたいです。ウェブページなどに結果を載せて、いろいろなご意見をいただけたらと思っています。