マンホールのふたのシェア6割の会社 デザインや安全性へのこだわりは 福岡県
ご当地の図柄を描いたふたなど、意外な人気となっているマンホール。業界トップ、シェア6割の会社が九州にあります。デザインや安全へのこだわり、そしてトップ企業に躍り出た秘密を探ります。
福岡県の太宰府駅前で観光客が撮影しているのは「マンホール」です。
観光客:
「下関から来て『ポケふた』があるから、行ったことのないところに行けて良かったよね」
ポケふたはポケットモンスターを描いたマンホールのふた。全国に300種類以上あり、旅の目的にもなっています。ほかにもご当地マンホールは数多く、カードも登場。マンホールはひそかな人気となっています。
マンホールの原料は自動車作りの余った鉄くず
こうしたふたで国内シェア6割を誇るのが1919年創業の「日之出水道機器」です。佐賀の工場を訪ねます。
ふたの原料となるのは自動車作りのときに余った鉄くずです。これを溶かして使います。
日之出水道機器 本村貴弘課長:
「材質の変化に対して受け入れる段階で成分を見極めて、いかに安定した品質で作り込むかが重要なポイント」
デザインにも工夫が施されています。例えば、マンホールにデザインされた線。型をどこまで細くできるかミリ単位で調整します。一方、平らな部分が広いとタイヤが滑るので、溝を入れて安全性を高めます。
1500度に溶かした材料を砂で造った型に流し込みます。約1時間後、ふたが姿を現しました。
日之出水道機器 佐賀工場 江藤勲工場長:
「独自のノウハウで1日あたり240品目くらいの型替えができます」
多くの種類の砂型を作れるようにラインを設計。他社では難しいポケふたのような1点にも対応できるのです。