捨てた食材から「電気や肥料」を作る? トヨタグループの脱炭素社会への挑戦 農家に液体肥料も提供

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食品廃棄物を利用して作られた液体肥料

愛知県豊田市にあるトヨタ紡織猿投工場。猿投工場では、持続可能な未来に向けた新たな取り組みが始まっています。

社員食堂で毎日のように料理を作っていると、どうしても出てしまうのが食品廃棄物。ところがトヨタ紡織猿投工場では、食堂から出た食品廃棄物を捨てずに「電気」として生まれ変わらせます。

【動画】”食品廃棄物“から生み出すモノとは?「クルマとミライ」

年間60トン分の二酸化炭素削減に貢献

料理では使用しない野菜くず

電気を作るには「バイオガス発電設備」を利用します。まずは食品廃棄物を細かく砕くために粉砕機に投入。

バイオガスを発生させる

細かく砕いた食品廃棄物を微生物が入ったタンクに入れて発酵します。そうすると、バイオガスが発生するんです。このバイオガスを燃やしてエンジンを回すことで、電気を生み出す仕組みです。

工場の車両の動力源に

年間の発電量は約7300kwh。工場で使っている車両の動力源などに活用されていて、年間60トン分の二酸化炭素削減に貢献しています。

若手のカーボンニュートラルに対する意識の高まり

バイオガス発電設備

「2021年から食堂の残食を減らそうと考えて取り組んできました。その一方で、どうしても残食が出てしまいます。それを社会に出さないという意味も込めて、この設備を置いて活動を進めています。

若手社員を中心に取り組んだので、若手社員のカーボンニュートラルに対する意識がさらに強まったと思っています。また、豊橋地区にも工場があり、そこでも2023年にバイオガス発電設備の導入を始めています」(トヨタ紡織 立花 伸彦さん)

この設備が生み出すのは電気だけではなく、周辺の農家で液体肥料として有効活用しています。

液体肥料を使って栽培

10年以上無農薬栽培で野菜を作っているこちらの農家では、液体肥料を使って栽培。

「自然栽培だとヒョロヒョロの間引き大根みたいなものしかできないんですよね。液体肥料でしっかりしたミニ大根ができたのが驚きでした。持続可能な形で、出てくるもの(食品廃棄物)をまた畑に返すという取り組みをやっているのだなぁと。すごいと思います」(障がい者就労継続支援事業所とものわ 近藤 真人さん)

この野菜は、トヨタ紡織の猿投工場にも食材として提供されているそうです。

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