滝山病院暴行事件から考える精神科医療 愛知県の病院は在宅患者訪問に尽力、院長「診療報酬は高くない」

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看護師らによる患者への暴行事件が起きた東京都の精神科病院「滝山病院」の問題です。なぜ、この問題は起きたのか。取材を進めると、精神科医療の理想と、それに追いついていない制度の実態が浮き彫りになりました。

滝山病院の職員による暴行事件

滝山病院職員「うるせえよ、みんな寝てんだろ。あ?みんな寝てんだから静かにしろよ」

患者「たん取ってください」
職員「嫌です。ハハハハハ(笑い声)」

東京都八王子市の精神科病院「滝山病院」では、入院患者を暴行したとして、罰金の略式命令を受けたほか、准看護師など2人が書類送検されました。病院内の映像や音声には、生々しいやりとりが記録されています。

職員「しゃべるなっつってんだろ」
患者「怖い 怖い」
職員「だまってろ 飯くるまで」
患者「痛い」
職員「誰がしゃべっていいっつったんだ」

患者の声を制止するような発言をしたあとに、頭のあたりを激しく叩く様子が映し出されます。

東京都は管理体制に不備があったとして、病院に対して改善命令を出しています。

愛知県精神医療センターを取材

愛知県精神医療センターでは部屋の外で会話

今、日本の精神科医療で何が起きているのか。調査をすべく、愛知県名古屋市千種区にある「愛知県精神医療センター」を取材しました。

2人の看護師が保護室にいる入院患者の元を訪れました。1人1部屋の保護室で生活します。患者のストレスを軽減させるため、病室内ではなく、部屋の外で会話をしていました。

患者「今日はそんなに(薬)使っていないね」
看護師「すごいすごい。最近ちょっと減っていません? ちょっと前は6回フルで薬を使ったりされていたけれど。うまく過ごせているってことじゃないですか。部屋の外に出られる時間も増えてきましたね。もうちょっとがんばろう」

患者の表情からは笑顔がこぼれています。

◆看護師 今井智博さん
「精神科というのは、調子が悪いときと良いときの様子が違うので、どういった言葉をかけたら安心してもらえるかと思って」

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