外国人客に人気の土産はサケやメロンからつくった化粧品 北海道の資源生かしニセコローカルブランドで勝負
世界屈指のスキーリゾート・ニセコには、2024-2025シーズンで、すでにコロナ前を上回るスキー客が訪れています。そのニセコ地区で新たな土産品がインバウンドの間で人気を集めています。
ニセコの化粧品ブランド「ICOR」
ニセコのスキー場の売店で人気を集めているのが、地元の化粧品ブランド「ICOR(イコ)」。保湿ミストやフェイシャルクリームなど、地元素材を活かした商品が外国人観光客に支持されています。例えば、北海道近海で獲れたサケの皮や骨から採れるコラーゲンを使った保湿ミストや、富良野のメロンの種から採れる油を使った商品があります。
「ICOR」の商品は、捨てられるはずだった素材を有効活用したアップサイクル商品です。地元の酒蔵から出る酒かすや、北海道のシラカバ樹液など、廃棄される素材に付加価値をつけています。特に海外の客は、エシカル消費やアップサイクルに興味を持っており、「ICOR」の商品はそのニーズに応えています。
ICOR 宇津木ユミコ社長:
「特に海外のお客さまはエシカル消費とかアップサイクルというところにすごく興味をもっている人が多いと感じています。ニセコにいらっしゃる海外のお客さまに向けてアピールしたいです」
ニセコの発信力とブランド戦略
ニセコは農業のまちでもあり、地元産品は野菜や加工品が中心でしたが、外国人が買って帰りたくなる「ニセコならでは」の商品は少なかったです。そこで「ICOR」の商品が注目されるようになりました。特に目の肥えた外国人観光客にとって、ローカルでエシカルな商品は魅力的です。
「ICOR」は2021年にニセコに本社を構えました。その理由の1つが、羊蹄山の雪解け水です。肌に優しい軟水が化粧品に適しており、もう1つの理由は「ニセコ」の知名度の高さです。ニセコという場所の発信力が海外向けのマーケティングに大いに役立っています。
「ICOR」の新たな取り組み
現在「ICOR」の商品は多くのホテルで客室のアメニティとして使われ、まとめ買いする客も多いです。また、地元の高級ホテル「パークハイアットニセコ HANAZONO THE SPA」でも採用されています。
日本経済新聞社 橋川咲良記者:
「ICORは去年の秋からAIRDOの国内線でハンドクリームの機内販売を始めています。毎月600本ほど売り上げていて、北海道のシラカバ樹液を用いるなど道産の自然をアピールしニセコ外での販路拡大にもつなげています」
「ICOR」は、さらなる事業拡大に向けて、原料から自社で作る取り組みも。
ICOR 宇津木社長:
「ニセコでは夏の間、使われない別荘が多いので、別荘の空いている土地を利用してカフェの食材はもちろん、スキンケアの原料・ハーブなどを育てていきたいです」