シングル高齢者が増加 「未婚男性」「離婚した女性」は経済リスクが高まる可能性と専門家
高齢化が進むなか、今、増えているのが、シングル高齢者。いわゆる単身で生活する高齢者です。65歳男性のシングル高齢者の割合を見てみると、1985年、シングルの人は8.6%でしたが、2020年になると23.2%と約3倍に。今後もこの割合は増え続けると見られています。
こうしたなか、専門家は二世帯、三世帯家族が減少する現在、シングル高齢者の生活基盤は不安定となり、経済的なリスクも高まるという可能性を指摘しています。
ニッセイ基礎研究所 坊 美生子さん:
「シングル高齢者は未婚・離別(離婚)・死別に分かれます。(シングル高齢者の増加理由として)特に未婚率の上昇は大きな要因だと思います。生涯未婚率(50歳時未婚率)は男性約3割、女性約2割になっています」
未婚率の上昇が、シングル高齢者増加の大きな要因になっていると分析。シングル高齢者が増えることによって、どのような問題が起きるのでしょうか。
坊さん:
「シングルの高齢者が増えることは良い・悪いということではありません。ただ、分析をすると、配偶者がいる人に比べてシングル高齢者は経済基盤が弱い・経済的に厳しいことが分かってきました。経済的にリスクの高い高齢者が増えていく可能性があることはいえます」
特に「未婚の男性」と「離婚した女性」は、経済状況が厳しい傾向があると話します。
坊さん:
「未婚男性は派遣やパートアルバイトといった非正規社員だった割合が1割を超えていて、ほかの属性よりも高いです。女性は離婚した人が35歳を超えて再就職をしようと思うと、なかなか正社員になることが厳しいです。もともとスキルがあって結婚して退職した、でも働く場所があればできるという人に、キャリアアップの支援や良い雇用条件での再就職の支援があれば良いと思います」