木と石の端材を合体 新ブランド「キセキ」で食器を開発 岡崎市の老舗企業2社が協力して取り組むSDGs
木と石の端材を組み合わせたブランド商品を作った岡崎市の会社を取材しました。
岡崎市にある大正6年から続く老舗材木屋「岡崎製材」。4人の職人が、木の表面を削ったり、カットをしたりして家具などを制作しています。
この会社で商品の企画開発を担当するのが八田壮史さんです。八田さんは9月、使わなくなった木と、ある物を組み合わせた商品を開発しました。木と石の端材を組み合わせて作り上げた皿「キセキ」です。
白く輝く大理石や、希少価値が高い木材「ブビンカ」まで、表情が違う素材同士を掛け合わせ、オリジナルの皿を制作しました。
同じ中学の卒業生がタッグを組んだ
石の端材を提供したのは同じ岡崎市で石材店を営む稲垣さん。稲垣さんと八田さんは同じ中学の卒業生です。お互い家業の後継ぎという共通部分があり、今回、一緒に商品を作りました。
岡崎製材 経営企画室 八田壮史さん:
「岡崎市でほかにも後継ぎ仲間や事業のパートナーが1人・2人と増えるとうれしいなって」
木材の「端材」は、比較的リサイクルしやすいですが、石材店にはこんな悩みも。
稲垣石材店 常務取締役 稲垣 遼太さん:
「小さいもの(端材)って使いようがなかったので、それを捨てなければいけないんです。産業廃棄物の処理が必要でした」
実際に石材店をのぞいてみると、そこには山積みになった端材が。
稲垣さん:
「ひと月で300キロも400キロも処理しなくてはいけない端材が出てきてしまうんです。石事態も放置していても腐らないので」
皿として再利用することで、コストも環境負荷も抑えられるようになりました。木と石のコラボレーション。
接着剤を何にするのか
しかし完成までに、ある壁が立ちはだかったといいます。
八田さん:
「接着剤によって、伸び縮みする伸縮率が違うんですね。接着剤の接合の種類は色々検討しました」
木は温度や湿度によって伸縮して、反ったり割れたりします。その伸縮率に左右されずに、石とどのように接着させるのか。試行錯誤して、構想から半年後、ようやく完成しました。