ビール製造工場に潜入 年間6800万箱以上売れるロングヒット 巨大釜で「辛口」は生まれる
まだまだ暑い日が続き、キンキンに冷えたビールがたまらない季節。中でも「辛口」の爽快感は夏にぴったり。日本を代表するあの定番ビールを製造する名古屋市の巨大工場に潜入し、独特の味や香りが誕生する瞬間を目撃しました。
創立50周年の工場 主力商品は会社の顔
名古屋市守山区にあるアサヒビール名古屋工場。広さはバンテリンドームナゴヤのおよそ4個分。工場の誕生から今年でちょうど50周年です。
この工場で製造する主力商品は「アサヒスーパードライ」。1987年に発売されると、これまでになかった芳醇で豊かな味わいと、後に残らない爽快なキレ=辛口を打ち出し大ヒット。業界4位付近で甘んじていたアサヒビールがトップへと躍り出るきっかけとなり、現在でも年間6800万箱以上が売れるロングヒット商品となっています。
その製造工程を見てみましょう。
滝のように流れ落ちる「つぶつぶ」
まず工場にトラックが到着すると、荷台から大量の「つぶつぶ」が降ろされます。ナイアガラの滝のように流れ落ちる「つぶつぶ」の正体は麦芽! その名の通り、発芽した麦のことです。このトラック1台に積まれた麦芽は、およそ24トン。これだけの量をたったの2日で使い切ってしまうそうです。
不純物を取り除き、香りや苦みをプラス
ここにあるいくつもの釜、姿はそっくりですが、それぞれ違う役割があります。例えば「ろ過機」となる釜。麦汁をろ過して不純物を取り除くのですが、そのフィルターになるのは麦芽の皮。資源を無駄にしないのですね。